黄帝珠が放出する破壊の波動が止まった。
祥之助の体を起き上がらせようとしながら、黄帝珠が呻いている。
【なぜだ、平衡感覚が……】
「当然でしょう。普通なら脳震盪《のうしんとう》を起こす程度の衝撃を加えました。精神体のきみが無事でも、祥之助の体が指示について行けるはずがない」
なるほど、最初からこうすればよかったのか。
祥之助の体が動かないように、物理的に攻撃を加える。
いや、加減が難しい。
きっと骨折程度では、黄帝珠は平然と祥之助の体を酷使する。
何にしても、今がチャンスだ。
ぼくは、巨大な翼をたたんだばかりのイヌワシを見上げた。
【きみに命じますが、聞こえてますよね?】
イヌワシがうなずいた。



