脱出ゲームのクリア条件だとか、四獣珠と黄帝珠の抗争だとか、そういう具体的で重要な目的があるにもかかわらず。
いつからぼくは、ぼく自身の想いのために動いていたんだろう?
「身勝手ですよね」
壁のひび割れから吹き下ろす風に、頬を打たれた。
感情を抑え切れなくなった。
呼び掛けても応えてもらえないのに、稚拙な感情を一生懸命に押し付けようとして、その勢いだけでここまで来て。
食い違っているし、空回りしているし、格好悪いし、未熟すぎて恥ずかしいし。
【だけど、応えてほしいんだ】
両目の奥が熱くなって、視界が膨れ上がるように感じる。
あっ、と思ったときには、両目から涙がこぼれていた。
【あなたに触れるための鍵を、ください】
ぽたぽたと、涙は落ちた。
透明な蓋を伝って、水滴は流れた。
水滴が形を変える。



