ぼくは体が動かない。
それどころか、呼吸さえままならない。
体じゅうが熱い。
血がたぎっている。鼓動の音が耳元で聞こえる。
ぼくの正面に帰ってきたリアさんは、マニキュアが目を引く指先で、ドレスのすそを少しめくった。
黒いレースの下着がチラリとのぞく。
ダメだ。
からかうように、リアさんは笑っている。
片方の肩紐を二の腕に落とす。
上目遣いにぼくを見ながら、腕を組むようにして胸を寄せて、もう片方の肩紐も、じりじりと肩から二の腕へ滑らせてみせる。
何なんだ、このショーは?
ぼくは一歩、後ずさった。
【やめてほしい、見たい、そんなことしないで、見たい、先を急がないと、見たい、立ち止まっていられない、見たい】
見たいのは。
ぼくが本当に見たいのは。



