ならば、彼の能力はぼくにとって安全だ。
信用はしないまでも、警戒を解いたって問題ない。
いざとなれば、ぼくのほうがはるかに強く、有利だ。
「きみの言うとおり、ぼくは玄武、すなわち玄獣珠の預かり手です。でも、驚きました。四獣珠は本来、別々の場所に存在したがる性質を持つ。そう聞いていたので」
「原則、バラバラ独立って言われてるよね。だけど、おれはそこまで驚いてないよ? おれさ、予知夢っていう特技があんの。
最近、玄武くんのことも夢で見てたよ。そのうち会えるかなーって思ってた」
彼のゆるゆるとしたしゃべり方は、どうにも胡散《うさん》くさい。
接触するにせよ、まずは自分で事実関係を調べておくほうがいいだろう。
「お邪魔してしまいましたね。きみ、彼女と待ち合わせをしていたんでしょう?」
ぼくは、仮面のように顔に貼り付けた笑みに、愛想を込めてみせた。



