イヌワシがぼくの手を抜け出して、理仁くんの頭を翼で打った。


リアさんのナイトのような存在なんだろうか。


ぼくが贈ったぬいぐるみが?



理仁くんが立ち上がって、顔も上げた。


脱力した感じに笑っている。



長い廊下を行く間、ほとんど無言だった。


次の部屋への扉に至る直前、唐突に理仁くんが言った。



「あっきー、さっきの話だけどさ。姉をいたわる男は弟じゃない、っての」


「ああ」


「謎が解けた感じがした。おれと姉貴の関係、ちゃんと見えた。サンキュ」



話はそこで途切れた。


煥くんが、次の扉を開けた。