高校入学と同時に家を離れて以来、一度も帰省していない。 両親と仲が悪いつもりはない。 でも、ぼくが同じ家にいてもあの人たちは困るんじゃないか、と思う。 少なくとも、両親は、ぼくの学業成績のよさを持て余していた。 親戚との会話の中で、雲の上にいるみたいな子、と母が笑いながら言っていた。父も同意していた。 あの一言が忘れられない。 両親に突き放されたように感じた。 自分は捨て子なんじゃないかと思った。 螺旋階段を下りる。 どんどん下りていく。