ボロボロになるまで読み込んだ科学図鑑。
五千個ほどピースを持っていたブロック玩具。
唐突に両親が買ってくれた、かなり高価な天体望遠鏡。
モーターから羽の成形まで、徹底的に自作したドローン。
夢中になれるものは、ほんの少しだった。
無関心と集中状態のギャップが激しすぎて、異常な行動も多かったみたいだ。
両親は、ぼくが異能を持つ特殊な子どもだと理解していたけれど、それでも扱いに困って、何度もぼくを病院に連れていった。
両親は平凡で善良な人たちだ。
預かり手の家系に連なる末端の傍流で、まさかこの家から次代の預かり手が生まれるとは、本家の人々は想像もしていなかったらしい。
前代はぼくの曽祖父に当たる人らしいが、ぼくが生まれた日に死んだ。



