「十二時の位置から動き出したところでしょうか。進んだ角度は約三十度、今は一時の位置を差してますね」
「海ちゃん、分度器なしで三十度とか、わかる?」
「この程度は、誰でも目測でわかりません?」
理仁くんは首を左右に振った。
「無理無理。力学《フィジックス》の視界だから、今はわかるけど。あ、ちょうど三十度になった。
これさ、海ちゃんの言うとおりで、たぶん〇度のとこからスタートしたんだよ。おれが見てたのは四.五度のとこから」
「針が進んだ後ろ側が暗転しているんですね」
「そうみたい。この黒い部分さ、針が進むのに合わせて、影みたいに、じわじわついてきて広がってんの」



