彼女がぬいぐるみとぼくを見比べた。
「やっぱりこの子、きみと似てる」
「は? これと、ぼくが?」
「似てる」
「どこがですか?」
「笑い方とか、シャープなようでソフトなところとか」
「意味がわかりません」
「誉めてるんだから、喜んだら?」
「喜ぶ要素が一つもないんですが」
彼女の価値観によると、このぬいぐるみはかわいい。
彼女の目から見て、ぼくはこのぬいぐるみと似ている。
ということは、ぼくは、彼女にとってかわいい存在なのか?
クレーンゲームのガラスに映る自分と視線を合わせる。
ウェーブした黒髪と、緑色がかった目、彫りの深い目鼻立ち。
かわいくはない。格好いいかキレイかのどちらかだ。



