にぎやかで、なごやかな夕食だった。
何のためにここに集まっているのか、しばし忘れそうなほどに。
会話の輪に加わる理仁くんが、ふっと黙り込むことがある。
表情を消して、目を閉じて、息をついて、かぶりを振って、うなずいて、自分の中で何かに納得して、また目を開ける。
会話に加わって、一言ごとにおどけてみせる。
強い人だ。
ぼくでさえ、リアさんのことが心配でならない。
あせりが胸を圧迫するから、じっとしているのが苦しい。
リアさんの弟である理仁くんが平気なはずはない。
でも、総統が、動くべき時だと告げない。
この一枝に起こる出来事をすべて把握できるのに、ぼくたちをここに留め置いている。
それはつまり、まだ時が満ちていないから。



