彼女が、ざっとぼくの全身を観察した。
見られて困ることもない。
細身で背が高い、いわゆるモデル体型だ。
顔の小ささと手足の長さは数字の上で実証できる。
首と肩が成す角度が女性的というか、撫で肩なのが唯一の難点だ。
肩幅も男としては狭いから、華奢に見えるらしい。
彼女は朱い髪を背中に払って、いたずらっぽくクスリと笑った。
「きみなら合格ね。ちょっと付き合って」
いきなり手を引っ張られた。さすがに面食らう。
彼女が向かう先はゲームセンターだ。
「あの、付き合ってって、何なんですか?」
「時間つぶし」
「え? それで、ゲーセンですか?」
「そうよ。悪い?」
「いえ、悪くはありませんが」
意外というべきか。大人のおねえさんが、ゲーセンですか。



