「リアさんが安全な場所でおとなしく待っているような人なら、こんなことにはならなかった。でも、リアさんがいなかったら、ぼくは混乱したまま、どうなっていたか」
場面ごとに場合分けして考えてみる。
要所要所で、リアさんの機転に救われた。
リアさんがいなければ、ぼくたちの行動はもたついたはずだ。
「度胸がよすぎて危なっかしいでしょ。昔から、あんな人なんだ。おれ、絶対にかなわないもんね」
「いくつ違うんですか?」
「八つ上で、二十五歳だよ。姉貴はさ、おれのチカラのストッパーだったの。おれがちっちゃいころ。だから、あの場面であんなことできたわけ」
「あんなことって? 体を張って、って意味ですか?」
「こら、そこ変な想像しない。ちっちゃいころって言ったろ?」
軽い口調で、理仁くんは語った。
子どものころ、わがままが駄々洩れになることがあった、という話。



