LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―



「苦労しませんでした?」


「苦労したよ~。お友達にそんなこと言っちゃダメでしょ、っていうお叱りが、おれは普通の子より多かったわけ。叱られてるうちにチカラの操り方を覚えた感じ」



思念の声を洩らさないためには、自分を律する必要があって、感情を安定させておかなければならない。


幼児には難しかったはずだ。十七歳のぼくにさえ難しい。



「だから、きみはいつも計算したような笑顔なんですね」


「海ちゃんだって、計算ずくの笑顔じゃん」


「つかみどころのない変人として扱われるのが、いちばん楽なんです」

【だって、ぼくは普通になれないんだから。演技しても努力しても、どうやったって普通になれずに、浮いてしまうんだから】



他人の視界には数値が現れないのだと、幼いころは理解できずにいた。


多すぎる情報量を持て余しながら、ぼくには不思議だった。


どうしてみんなは曖昧な方法でしか物を見ないんだろう、と。