【銃を捨てて、そこどいてね~。痛い目には遭いたくないっしょ?】
ゆるゆるとした口調に、ビリビリと肌を刺すほどのチカラがこもっている。
理仁くんの両眼が朱くきらめいた。
号令《コマンド》に打たれて、五人の黒服が麻酔銃を捨てた。
煥くんが白い光の正六角形を消す。
ぼくはザッと、あたりじゅうに視線を走らせる。
この最上階は、下の階とは造りが違う。
半分が屋内のカフェレストラン、もう半分が庭園風のテラスになっている。
エレベータホールはテラスに面していた。
「トラップはないようです」
ぼくの言葉に、リアさんがクスッと笑った。
声を大きくして言い放つ。
「ここは、大人のデートスポットとして有名なカフェレストラン、TOPAZよ。派手なケンカをして営業停止だなんて、ねえ、まともな経営者がそんなことするはずないわ」
わざと大声で言ったのは、牽制《けんせい》だ。
この人、本当に度胸がある。



