エレベータが最上階に近付く。
上昇スピードが緩む。止まる。
【レーダーしてみる】
理仁くんの特殊な声が発せられた。
ドアが開くまで、あと二秒。
【いるゎ。五人ほど】
レーダーという表現から推測するに、理仁くんには、思念の声の反射から対象物の位置がわかるんだろう。
煥くんが両手を正面に掲げた。
手のひらの前の空間が白く発光する。
ぼくには読み解けない、光と呼ぶことに抵抗のある、猛烈に膨大なエネルギーを持つ白色が、輝く。
ドアが開いた。銃を構えた黒服が五人。
白い光が、一辺の長さ約1,000mmの正六角形に展開する。
銃が火を噴く。
光の正六角形に着弾する。
ジュッと音がして、五発の弾が焼き切れる。
「これが煥くんのチカラですか?」
「障壁《ガード》だ。今の、実弾じゃなかったな」
リアさんが銃を指差した。
「あの形、麻酔銃ね。理仁、やっちゃって」
あいよ~、と理仁くんはお気楽な返事をした。
その全身から気迫が噴き上がる。



