祥之助が哄笑した。
「ボクらのチカラのほうが上位だったな。四獣珠の預かり手諸君、どうだろう? 一度、ボクらと話をしてみないか?」
ぼくと煥くんの声が完全に重なった。
「断る、と言ったら?」
祥之助はきびすを返した。
「話すように仕向けるだけさ。それとも、話し合いなしで、ボクらの要求に従うか?」
祥之助は立ち止まらず、振り返りもしない。
黄金色の宝珠とともに、車に乗り込む。
ドアが閉まる。車が発進する。
車を追って駆け出そうとした煥くんを、ぼくが止めた。
「ぼくが行きます。車を追跡する程度なら、朝飯前です」
「チカラを使うつもりか?」
「使うまでもないですね。足、速いんですよ」
ぼくはスポーツバッグからローラースケートを出して、ニッコリしてみせた。