祥之助が言葉を放った瞬間、黄金色が激しく光った。
その内側にため込んでいたものを、一気に弾き出したんだ。
物理学的にあり得ない光景だった。
でも、確かにぼくは見た。
十六人の魂《コン》というのが、それだったんだろう。
十六個の光る球体が、それぞれ帰るべき場所へと一直線に飛んだ。
球体は宿主の肉体にぶつかると、中へ消えた。
「う、ぁっ……クソ、重い」
理仁くんが頭を押さえてうずくまった。
負荷が一気にかかったんだ。
理仁くんは対象の数量に合わせて、チカラの出量を調整していた。
そこに十六人ぶんの魂《コン》が加わって、バランスが崩れた。
【無理……!】
うめくように告げて、理仁くんがガクリと倒れた。
リアさんが駆け寄る。
「理仁!」
悲鳴が、そこここで上がった。
魂《コン》を返された人々が、糸の切れた操り人形みたいに倒れている。
北口広場は騒然とした。