「彩羽さんの仕事をする姿を間近で見て、私は…月並みな言葉ですが、天性のものを感じました。考えてらっしゃる部分もあることを理解した上で、何か降ってくるものもある。そんな風に見えました。彩羽さんだって真面目で、真摯です。信頼しています。そして、話しにくい話をしてくださった上で仕事も任せていただけるのであれば…。」
彩羽の手をぎゅっと握る。どうか伝わってほしい。私もあなたのことを信頼している、ということを。
「…信頼して、信頼される関係は、彩羽さんと私でも作っていけますか?」
「もちろんだよ。…お願いします。私のことを撮ってください。」
「そのままの彩羽さんを撮ります。…頑張ります。」
不意に、名桜のスマートフォンがベッドの上で震えた。
「わ、すみません!」
「大事な連絡かもだし、確認していいよ。」
「すみません!」
見ると、そこには『伊月知春』の文字がある。着信ではなく、LINEのようだった。ひょいと覗き込んできた彩羽が『あー!』と声を出す。
「もしかして、ちょっと会えない?とかそういうやつ?もしかしてやっぱり、ちーちゃんと付き合ってる?隠さなくていいよぉ?」
「隠してません!」
「えぇ~二人がそういう感じになったら、私すっごい喜んじゃうのに。」
「…知春さんと私は、同じ世界を生きてるようで、そうじゃないですよ。私は表には出ない存在です。知春さんはそうじゃない。ちゃんとわかってますよ。」
そう言いながら、名桜はLINEの通知をタップした。
『彩羽さんと同室、大丈夫?圧倒されてない?』
まるで実際に言われているかのように、知春の声で再生された。ふふっと笑みが零れて、彩羽がそっと名桜のスマートフォンを覗き込んだ。
「なにこれー!ちーちゃんったら生意気!なっちゃん、スマホ貸して!」
「えっ、何する気で…。」
ポンポンと押され、通話からのスピーカーのモードになり、機械音はあっという間に声に切り替わった。
「名桜?」
彩羽の手をぎゅっと握る。どうか伝わってほしい。私もあなたのことを信頼している、ということを。
「…信頼して、信頼される関係は、彩羽さんと私でも作っていけますか?」
「もちろんだよ。…お願いします。私のことを撮ってください。」
「そのままの彩羽さんを撮ります。…頑張ります。」
不意に、名桜のスマートフォンがベッドの上で震えた。
「わ、すみません!」
「大事な連絡かもだし、確認していいよ。」
「すみません!」
見ると、そこには『伊月知春』の文字がある。着信ではなく、LINEのようだった。ひょいと覗き込んできた彩羽が『あー!』と声を出す。
「もしかして、ちょっと会えない?とかそういうやつ?もしかしてやっぱり、ちーちゃんと付き合ってる?隠さなくていいよぉ?」
「隠してません!」
「えぇ~二人がそういう感じになったら、私すっごい喜んじゃうのに。」
「…知春さんと私は、同じ世界を生きてるようで、そうじゃないですよ。私は表には出ない存在です。知春さんはそうじゃない。ちゃんとわかってますよ。」
そう言いながら、名桜はLINEの通知をタップした。
『彩羽さんと同室、大丈夫?圧倒されてない?』
まるで実際に言われているかのように、知春の声で再生された。ふふっと笑みが零れて、彩羽がそっと名桜のスマートフォンを覗き込んだ。
「なにこれー!ちーちゃんったら生意気!なっちゃん、スマホ貸して!」
「えっ、何する気で…。」
ポンポンと押され、通話からのスピーカーのモードになり、機械音はあっという間に声に切り替わった。
「名桜?」



