「可愛いね!いいなぁ、色違いで私も欲しいかも。」
「じゃあ見に行きます?」
「うん。見たい!」
彩羽がそう言うと、知春は名桜の首に巻いたマフラーに再び手を伸ばした。ゆっくりとマフラーを解く。
「あ、ありがとうございます。」
「うん。元の服に着替えたら一緒に行こう?」
「はい!」
名桜はカーテンを閉めて急いで着替える。皺にならないように、そこは気を付けて。鏡を見て少し髪を直し、衣服の乱れがないかチェックをしてからカーテンを開けた。彩羽と知春は近くにあった別の衣服をああでもないこうでもないと言いながらチェックしている。
「あ、早かったね。」
「なっちゃんにはこういうのも似合うよね~って話してたの。丈短いのも着せたい~!」
「た、丈は長めで…お願いしたいです。」
「えぇ~勿体ない~!」
普段露出はほとんどと言っていいほどない。彩羽が持っているスカートの丈なんかで外を歩けそうにはなかった。
「マフラー、こっちです。」
「はーい!」
「あ、知春さん。」
「ん?」
「そのマフラー、持っていただくのも申し訳ないのでいただけますか?」
「え?あ、気に入ってくれた?」
「はい。持ってるコートに合いそうですし、せっかく選んでいただいたので。」
「…よかった。」
知春がほっと息を吐いて、そして笑みを零す。いつも見ていた知春の笑顔と少し違う気がした。しかしそれを上手く言葉にはできなかった。
「たくさん協力してくれた名桜にプレゼントするよ。だから俺が持ってるね。」
「えっ!あ、大丈夫ですよ!そんな、プレゼントなんて!」
「マフラー一つじゃ、全然足りないけど、ね。」
「あ、待ってください!」
知春の背を追いかける名桜。そしてそんな二人を見つめて、彩羽は寂しそうに微笑んだ。
「…いいな。」
誰にも聞こえない独り言が、小さく落ちていく。
「彩羽さん、行きましょう?」
「うんっ!」
名桜が振り返る。振り返ってくれるなんて思ってもいなかった彩羽は一瞬驚いたが、すぐにいつもの表情を取り戻した。
「じゃあ見に行きます?」
「うん。見たい!」
彩羽がそう言うと、知春は名桜の首に巻いたマフラーに再び手を伸ばした。ゆっくりとマフラーを解く。
「あ、ありがとうございます。」
「うん。元の服に着替えたら一緒に行こう?」
「はい!」
名桜はカーテンを閉めて急いで着替える。皺にならないように、そこは気を付けて。鏡を見て少し髪を直し、衣服の乱れがないかチェックをしてからカーテンを開けた。彩羽と知春は近くにあった別の衣服をああでもないこうでもないと言いながらチェックしている。
「あ、早かったね。」
「なっちゃんにはこういうのも似合うよね~って話してたの。丈短いのも着せたい~!」
「た、丈は長めで…お願いしたいです。」
「えぇ~勿体ない~!」
普段露出はほとんどと言っていいほどない。彩羽が持っているスカートの丈なんかで外を歩けそうにはなかった。
「マフラー、こっちです。」
「はーい!」
「あ、知春さん。」
「ん?」
「そのマフラー、持っていただくのも申し訳ないのでいただけますか?」
「え?あ、気に入ってくれた?」
「はい。持ってるコートに合いそうですし、せっかく選んでいただいたので。」
「…よかった。」
知春がほっと息を吐いて、そして笑みを零す。いつも見ていた知春の笑顔と少し違う気がした。しかしそれを上手く言葉にはできなかった。
「たくさん協力してくれた名桜にプレゼントするよ。だから俺が持ってるね。」
「えっ!あ、大丈夫ですよ!そんな、プレゼントなんて!」
「マフラー一つじゃ、全然足りないけど、ね。」
「あ、待ってください!」
知春の背を追いかける名桜。そしてそんな二人を見つめて、彩羽は寂しそうに微笑んだ。
「…いいな。」
誰にも聞こえない独り言が、小さく落ちていく。
「彩羽さん、行きましょう?」
「うんっ!」
名桜が振り返る。振り返ってくれるなんて思ってもいなかった彩羽は一瞬驚いたが、すぐにいつもの表情を取り戻した。



