「じゃあさ、私がちーちゃんのこと狙ってるって言っても、特に問題ない、よね?」
真っすぐな瞳が、名桜に突き刺さる。
「…私は他人の感情に介入できません。どんな感情だって、個人の自由です。」
真っすぐだった目が、ゆっくりと柔らかいものに変わった。その変化の意図が読み取れなくて、名桜は彩羽の言葉の続きを待つ。
「そうだよね、たとえ芸能人だって想うのは自由。…私もそう思う。」
「…?」
「心配しないで。ちーちゃんのことなんて狙ってないよ。あと、警戒させちゃってごめんね。でも付き合ってないのかなーって気になったのだけは本当。」
「は、はぁ…。」
話の展開についていけず、上手い返しができない。そんな名桜を見て笑いながら、彩羽は口を開いた。
「なっちゃんって真面目なんだね、とっても。さっきの返事もだけど、仕事中の態度とかそういうのも全部含めて、真面目。」
「恐縮…です…?」
なっちゃんというのは自分のことだろうか、いやそうだろうな、会話の流れ的にと思って飲み込む。知春がちーちゃんなのだから、自分がなっちゃんなのは傾向を踏まえれば妥当なあだ名だろう。
「真面目な子が、ちーちゃんみたいな今売り出し中!売れっ子になるかは今が勝負!みたいな人に手を出すわけないよね。二人には、なんていうか、恋愛とかそういうのじゃない絆というか、信頼みたいなのを感じたよ、さっきので。」
「…やりにくかったですか、撮影。」
「全然?二人が仕事の時に纏う空気みたいなのはあったように感じたけど、それって全然閉鎖的じゃない。相談しながらやれて楽しかった。」
「…良かった、です。」
ほっと安堵する名桜を見て、彩羽はまた小さく微笑んだ。
「お噂はかねがね、実物に会いたかったんだ。会えて嬉しいし、一緒に仕事ができて楽しい。ちーちゃんみたいに、私とも仲良くしてほしいな。それと、下の名前で呼んでほしい!」
メイクが終わって、すっと立ち上がった彩羽が名桜の前に立ち、手を差し出している。
「…あの、…えっと…そんな風に言っていただけるの、ありがたいんですが…。私は手を握ってしまって良いのでしょうか?」
「え、なんで?握手くらい普通にしない?」
「彩羽さんと私じゃ、その…立場が違うので…。」
役者と撮影者。隣に並ぶことはない存在だ。カメラを挟んで、向かい側に立つ。そういう存在。
真っすぐな瞳が、名桜に突き刺さる。
「…私は他人の感情に介入できません。どんな感情だって、個人の自由です。」
真っすぐだった目が、ゆっくりと柔らかいものに変わった。その変化の意図が読み取れなくて、名桜は彩羽の言葉の続きを待つ。
「そうだよね、たとえ芸能人だって想うのは自由。…私もそう思う。」
「…?」
「心配しないで。ちーちゃんのことなんて狙ってないよ。あと、警戒させちゃってごめんね。でも付き合ってないのかなーって気になったのだけは本当。」
「は、はぁ…。」
話の展開についていけず、上手い返しができない。そんな名桜を見て笑いながら、彩羽は口を開いた。
「なっちゃんって真面目なんだね、とっても。さっきの返事もだけど、仕事中の態度とかそういうのも全部含めて、真面目。」
「恐縮…です…?」
なっちゃんというのは自分のことだろうか、いやそうだろうな、会話の流れ的にと思って飲み込む。知春がちーちゃんなのだから、自分がなっちゃんなのは傾向を踏まえれば妥当なあだ名だろう。
「真面目な子が、ちーちゃんみたいな今売り出し中!売れっ子になるかは今が勝負!みたいな人に手を出すわけないよね。二人には、なんていうか、恋愛とかそういうのじゃない絆というか、信頼みたいなのを感じたよ、さっきので。」
「…やりにくかったですか、撮影。」
「全然?二人が仕事の時に纏う空気みたいなのはあったように感じたけど、それって全然閉鎖的じゃない。相談しながらやれて楽しかった。」
「…良かった、です。」
ほっと安堵する名桜を見て、彩羽はまた小さく微笑んだ。
「お噂はかねがね、実物に会いたかったんだ。会えて嬉しいし、一緒に仕事ができて楽しい。ちーちゃんみたいに、私とも仲良くしてほしいな。それと、下の名前で呼んでほしい!」
メイクが終わって、すっと立ち上がった彩羽が名桜の前に立ち、手を差し出している。
「…あの、…えっと…そんな風に言っていただけるの、ありがたいんですが…。私は手を握ってしまって良いのでしょうか?」
「え、なんで?握手くらい普通にしない?」
「彩羽さんと私じゃ、その…立場が違うので…。」
役者と撮影者。隣に並ぶことはない存在だ。カメラを挟んで、向かい側に立つ。そういう存在。



