「さっきのはちょっとお遊びも入ってたけど、次のは本当にあるから練習させてほしいんだけど。」
「何ですか?」
「名桜、スマホある?」
「ありますよ?バックの中ですけど。」
「俺のスマホに残しちゃ駄目って、名桜言ってたじゃん?だから、スマホ貸して?」
「…何するつもりですか?」
少し警戒するようにそう言いながらも、名桜はバックをごそごそとあさりながら尋ねた。
「高校生やってたっていう思い出、後夜祭、最後の文化祭。…切り取りたい瞬間だよ、今この時間が。」
「えっと、でしたら私のスマホじゃなくて知春さんので撮ったら…。」
「名桜と、ここで最後の文化祭を過ごしたことを残したいの。」
「…それは、つまり…?」
「セルフィー。」
「セルフィー…自撮りってことですか!?わ、私自撮りは専門外ですよ!」
慌てる名桜に知春は少しだけ笑って、名桜の言葉を引き取った。
「俺が撮るから、名桜はこっち来て?」
「あ、あの、本当にやるんですか?私、写真に写ることも専門外なんですけど…。」
「切り取りたい瞬間を残すって、名桜のポリシーでしょ?」
「それはそうなんですけど、…あの、だってセルフィーって結構近寄らないと画角に入りきらないと思うので…。」
「うん。だから結構寄って。少しだけ学校感のある背景も写したいな…。ってことは背景こんな感じか。」
そんなことを言いながら、知春は背景の入り具合を調整している。知春には触れない位置で、名桜はそれ以上動けずに固まっている。
「よし、ここだ。名桜!」
「…わ、私、上手く笑えないですよ?」
「いいよ。いっぱい撮ればそれっぽいのが撮れるでしょ?」
「いいいいっぱい撮るんですか?」
「気に入ったものが撮れるまでやるよ。」
「な、なんでそんな本気なんですか…。」
「初めてやるからかな。せっかくならちゃんと残したい。」
真っすぐな知春の声と視線に負けて、名桜はおずおずと知春に近寄った。すると知春がそっと、名桜の肩を抱いて、二人の距離をゼロにした。
「知春さん…!?」
「ほら、名桜、笑って笑って。」
肩にあったはずの手はいつの間にかなくなり、知春の指がツンツンと名桜の頬に触れる。くすぐったくて小さく笑った瞬間に、シャッターが切られた。
「あ!なんで今押したんですか!」
「だって今名桜、笑ったじゃん!」
二人で写真を確認する。カメラ目線ではないけれど、いたずらっ子みたく笑う知春と、笑いがこらえきれずに吹き出した名桜がそこにはいた。
「…可愛い。」
「…確かに、なんか、…高校生感はすごく出てて、顔がとかそういうことじゃなくて…雰囲気のある可愛い写真です。」
「ね、可愛い、ほんと。」
(…写真が可愛い、という意味では、…まぁ、ないんだけど。)
「何ですか?」
「名桜、スマホある?」
「ありますよ?バックの中ですけど。」
「俺のスマホに残しちゃ駄目って、名桜言ってたじゃん?だから、スマホ貸して?」
「…何するつもりですか?」
少し警戒するようにそう言いながらも、名桜はバックをごそごそとあさりながら尋ねた。
「高校生やってたっていう思い出、後夜祭、最後の文化祭。…切り取りたい瞬間だよ、今この時間が。」
「えっと、でしたら私のスマホじゃなくて知春さんので撮ったら…。」
「名桜と、ここで最後の文化祭を過ごしたことを残したいの。」
「…それは、つまり…?」
「セルフィー。」
「セルフィー…自撮りってことですか!?わ、私自撮りは専門外ですよ!」
慌てる名桜に知春は少しだけ笑って、名桜の言葉を引き取った。
「俺が撮るから、名桜はこっち来て?」
「あ、あの、本当にやるんですか?私、写真に写ることも専門外なんですけど…。」
「切り取りたい瞬間を残すって、名桜のポリシーでしょ?」
「それはそうなんですけど、…あの、だってセルフィーって結構近寄らないと画角に入りきらないと思うので…。」
「うん。だから結構寄って。少しだけ学校感のある背景も写したいな…。ってことは背景こんな感じか。」
そんなことを言いながら、知春は背景の入り具合を調整している。知春には触れない位置で、名桜はそれ以上動けずに固まっている。
「よし、ここだ。名桜!」
「…わ、私、上手く笑えないですよ?」
「いいよ。いっぱい撮ればそれっぽいのが撮れるでしょ?」
「いいいいっぱい撮るんですか?」
「気に入ったものが撮れるまでやるよ。」
「な、なんでそんな本気なんですか…。」
「初めてやるからかな。せっかくならちゃんと残したい。」
真っすぐな知春の声と視線に負けて、名桜はおずおずと知春に近寄った。すると知春がそっと、名桜の肩を抱いて、二人の距離をゼロにした。
「知春さん…!?」
「ほら、名桜、笑って笑って。」
肩にあったはずの手はいつの間にかなくなり、知春の指がツンツンと名桜の頬に触れる。くすぐったくて小さく笑った瞬間に、シャッターが切られた。
「あ!なんで今押したんですか!」
「だって今名桜、笑ったじゃん!」
二人で写真を確認する。カメラ目線ではないけれど、いたずらっ子みたく笑う知春と、笑いがこらえきれずに吹き出した名桜がそこにはいた。
「…可愛い。」
「…確かに、なんか、…高校生感はすごく出てて、顔がとかそういうことじゃなくて…雰囲気のある可愛い写真です。」
「ね、可愛い、ほんと。」
(…写真が可愛い、という意味では、…まぁ、ないんだけど。)



