* * *
名桜はかなり長い望遠レンズを装着して屋上からファインダーを覗いていた。ふと、ショルダーバックに入れてあるスマートフォンが震えた。
「はい、知春さん?」
『名桜、今どこにいる?』
「学校の屋上ですけど…。」
『校舎内入れるところ、鍵かかってない?どこから入れる?』
「今学校にいるんですか?後夜祭なんて出たら騒動になっちゃいますよ!」
『体育館の裏にいるからバレてない。名桜がいるなら屋上行きたいんだけど。』
「北校舎の昇降口開けに降りるので、来てもらっていいですか?絶対バレちゃだめですよ。」
『ごめんね。助かる。』
名桜は重いカメラをショルダーバックにしまって、屋上に置く。そして、身一つで階段を駆け下りていく。北校舎の昇降口には制服姿の知春がいた。軽く息が上がったままの名桜は鍵を開けて、昇降口のドアを横に引いた。
「あー助かった!」
「仕事は…?」
「終わったから来た。巻きで終わったから来れたって感じかな。高校最後の後夜祭、出れるんだったら楽しみなさいってマネージャーに言われて、裏手で降ろしてもらった。」
「私、屋上で頼まれてる仕事があるので、ちょっと急いで戻らないとなんですけど。」
「じゃあ隣にいてもいい?」
「いいですけど…。でも面白いことは何もないですよ?」
「名桜がいたら、面白いから大丈夫。」
少し腑に落ちない顔をした名桜を横目に、知春は上履きに履き替える。
「ところでさ、頼まれてる仕事って何?それは給料が発生するタイプの仕事?」
「いえ、お仕事というよりは実際は部活、…の延長ですね。後夜祭の様子を屋上から数枚撮るようにと。」
「友達とは一緒じゃなくていいの?」
「蒼はなんかステージに出るらしいので、それは屋上からでも見れますし、七海は友達が多いので。」
「いつでも3人ってわけじゃないんだ?」
「…そう、ですね。特に今年は私、仕事が忙しくて結構3人でいられる時間って…案外なかったかもしれません。だから、知春さんたちと花火大会に行けたの、貴重でしたね、今思えばですけど。」
「…割と、あっさりしてるんだね?」
「そうですか?でも、ベタベタするのも変じゃないですか。知春さんたちだって似たような感じ…じゃないですか?」
「まぁ、そうだね。言われてみれば。」
屋上に到着し、ドアを開ける。名桜はショルダーバックから一眼レフを取り出した。
名桜はかなり長い望遠レンズを装着して屋上からファインダーを覗いていた。ふと、ショルダーバックに入れてあるスマートフォンが震えた。
「はい、知春さん?」
『名桜、今どこにいる?』
「学校の屋上ですけど…。」
『校舎内入れるところ、鍵かかってない?どこから入れる?』
「今学校にいるんですか?後夜祭なんて出たら騒動になっちゃいますよ!」
『体育館の裏にいるからバレてない。名桜がいるなら屋上行きたいんだけど。』
「北校舎の昇降口開けに降りるので、来てもらっていいですか?絶対バレちゃだめですよ。」
『ごめんね。助かる。』
名桜は重いカメラをショルダーバックにしまって、屋上に置く。そして、身一つで階段を駆け下りていく。北校舎の昇降口には制服姿の知春がいた。軽く息が上がったままの名桜は鍵を開けて、昇降口のドアを横に引いた。
「あー助かった!」
「仕事は…?」
「終わったから来た。巻きで終わったから来れたって感じかな。高校最後の後夜祭、出れるんだったら楽しみなさいってマネージャーに言われて、裏手で降ろしてもらった。」
「私、屋上で頼まれてる仕事があるので、ちょっと急いで戻らないとなんですけど。」
「じゃあ隣にいてもいい?」
「いいですけど…。でも面白いことは何もないですよ?」
「名桜がいたら、面白いから大丈夫。」
少し腑に落ちない顔をした名桜を横目に、知春は上履きに履き替える。
「ところでさ、頼まれてる仕事って何?それは給料が発生するタイプの仕事?」
「いえ、お仕事というよりは実際は部活、…の延長ですね。後夜祭の様子を屋上から数枚撮るようにと。」
「友達とは一緒じゃなくていいの?」
「蒼はなんかステージに出るらしいので、それは屋上からでも見れますし、七海は友達が多いので。」
「いつでも3人ってわけじゃないんだ?」
「…そう、ですね。特に今年は私、仕事が忙しくて結構3人でいられる時間って…案外なかったかもしれません。だから、知春さんたちと花火大会に行けたの、貴重でしたね、今思えばですけど。」
「…割と、あっさりしてるんだね?」
「そうですか?でも、ベタベタするのも変じゃないですか。知春さんたちだって似たような感じ…じゃないですか?」
「まぁ、そうだね。言われてみれば。」
屋上に到着し、ドアを開ける。名桜はショルダーバックから一眼レフを取り出した。



