あの日は夜ごはんも食べずに寝てしまい、起きたのは朝の五時だった。

「お腹すいたー」

六時や七時とはまた違う五時の時の空は綺麗で、少し癒された。

「そういえば、カレーのレトルトあったよね」

引き出しの中からあのカレーのレトルトを取り出す。そしてみんなで割り勘して買った電子レンジで温めた。そして温めたパックのご飯をお皿に盛り、その上にかける。
みんなが寝てる中で自分だけが食べるってなんだかドキドキする。お腹が空いているときのカレーはとてもおいしかった。

カレーで機嫌を直した私は、何となく廊下を歩いた。

「ここってストーリー作ってるところ……そうだ!」

教官に言われたことを思い出した私は中に入った。

「白原かい?珍しいね」

「私って、二つ目のストーリィ作れますか?」

いつもここでストーリィを作っている三原 千瀬(みはら ちせ)さんは私をじっと見た。

「うん、いける!何を作るんだい?」

「火に強いやつです……」

これくらいしか言えない。

「なんかぼんやりしてるな……これはどうだい?」

三原さんが見せてくれたのは黒い生地に白いパイピング、そして真っ赤なバラが特徴のケープだ。

「かっこいい……!これにします!」

「よし、じゃあ今回はデコれるな!」

「デコ?」

白旗の時は出来なかったけど、普通のストーリィは自分の好きなパーツを最低一つは付けるらしい。私は白い音符とバラにした。
今度はグラファイトと銀が埋められた。

「完成だ!」

「ありがとうございます!」

早速着てみて、くるりと回る。これで、私は白旗だけじゃなくなった!新しい私の活躍に期待したい!

部屋に帰るとみんな驚いていた。そして褒めてくれた。