すると、色彩の本が突然空に何かを打ち上げた。色彩の本は戦いよりも美しいものが好きで、戦う時も美しさを忘れないようにしている。

熊手すげー

テンション上がった

魔力を文字にして打ち上げたらしい。目立つことが好きではない四一は恥ずかしくなって顔が赤くなる。
その文字は突然降ってきた雨により消されてしまう。空操禁書は雨から本を守ろうとする。

「空操禁書は雨が弱点なのでしょうか……?」

「敵が雨に気を取られているうちに撃て」

扶桑はさっき文字を打ち上げた空操禁書を指差した。

「雨だ、雨だ、ちょうど暑いと思ってたんだ!雨サンキュー」

「ちょっと!作戦はまだ終わってないわよ!」

雨を浴びながら冬耶 美都(ふゆや みと)がクルクルと踊り始めた。美都は背が高く、見た目も大人っぽいが精神年齢は低い。

「あいつは馬鹿なのか?」

解明の本は美都の行動に腹が立った。自分が沈めた軍艦に乗っていた兵士たちは、何かを守るため自分に挑み、散って行った。しかし、美都は空気を読まない行動で士気を下げ、雨で喜び踊るとは不謹慎だと思った。色彩の本も似たようなことをしていたなと思い、後で叱っておくことにした。
雷が鳴り始めた。解明の本は、あることを思いついた。

「準備できました。撃ちます!」

大砲は、一冊の空操禁書に向けられる。

「愚か者め。視界に入るな」

解明の本が空を指差す。

直後、空操禁書側と祈望軍側どちらからも爆音がした。

「色彩の本がやられた!」

本が全焼した。本自体を直せなくなった場合、二度と復活しない。

「美都!」

雷が落ちたのに軍艦や近くにいた人は無事だった。美都だけが雷の被害を受けた。

このことがきっかけで、攻撃が再開した。