「あれは楽しかったねー!」

「うん、鸚緑さんは特に満喫してたよね」

皆で遊んだ後、愛恩は私の家に泊まりに来た。

「もう寝ようか。明日は力を使うからね」

愛恩が立ち上がる。ふとんに入ったけどワクワクしてなかなか寝られない。
力を抜いて、朝になったら楽しいことが待っているから寝ようと思うと、だんだん意識が薄れてきた。


「桃心、朝だよ!」

愛恩に起こされる。朝ごはんを食べて、身だしなみを整えて出発する。
お母さんも周りの土を掘るのを手伝ってくれた。

山の近くの神社に植えることになった。許可も取って、今日から神社の木の一員になる。
場所を選び、植える。

「元気に育つといいね」

土を触りながら愛恩が言う。

「うん。実がなる頃には、私たちどうなってるんだろうね」

こっちでは分からないけど、士官学校等があった場所あたりでは祈望軍を悪人と言う人が出てきたらしい。
もし、それがここにも伝わって、皆が祈望軍を嫌うようになったら……
空操禁書はこうなることを分かっていたのかな?

「教科書にもあのときのことが載るんだろうね」

どんなふうに書かれるのかな?大切な人を守るために戦ったことを子供たちに知ってほしいな。