「勝山って子から聞いたよ、美月、美理矢の前で優亜たちを悪く言ったみたいだね」

「だったらどうしたのよ!あいつらは私の人生を狂わせたのに……!」

苛立ちから大きな怒りに変わる。私も、いじめられたりしたことがあったから、織雨さんの気持ちもよくわかる。

「美理矢の前で言うのはやめな。美理矢にとっては大切な両親なんだからね。それに……人生を狂わせたのは私だよ。私を怨めばいい」

影見さんだって元は悪い人じゃなかった。手紙を送ったという些細な行動でこんなにも大きく人生が変わった。


じゃあ悪いのは……誰?

「……ずっと一緒にいてくれて、助けあった友達を怨める訳がない」

織雨さんは泣いていた。影見さんは織雨さんにハンカチを渡す。

「ごめんなさい……」

少し落ち着いた織雨さんは美理矢君に謝った。美理矢君は何も言わずに立っていた。