「今日は、食べ終わるの早いね!ハナちゃん」

「そうかな」

お弁当を食べながら、私は緊張でドキドキしていた。

もうすぐ会える。

初恋の人に。

遅い初恋かもしれない。
私は、男の人があまり好きじゃないから。

年上が苦手な私が、年上のマナ先輩に恋をしてしまうなんて。

でも、相手が高嶺の花過ぎるね。
桃香のこと、言えないよ。叶うはずのない遠い恋になっちゃうね。


「ちょっと行くね」

「え?どこ行くの?」

「ハナちゃん、サボり~?」

「ちゃんと帰ってくるよ」


3人に手を振り、私は体育館の裏へと走った。

走ることがこんなにも気持ち良いなんて、知らなかった。

部活で嫌々走っているのと全然違う。

嬉しくて、ウキウキして、ドキドキして、叫び出してしまいたいくらいに幸せだった。