俺の右にはキャシーが座り

左にはローリーが座った。

河村はハンサムたちに囲まれていた。

「ジン、聞いてもいいかしら?」

キャシーが長い脚を組んで金髪をかきあげた。

「何を聞きたい?」

「日本には山のようにGFがいるんでしょう?」

「いや、いない。」

「じゃ、恋人がいるのね?」

「それもいない。」

「本当に?」

「ああ。」

「それは確かなの?」

「ああ、確かだ。」

キャシーは青い目を最大限に見開き

頭を左右に振ってウソだとわめいた。

乱れた金髪の間から信じられないといった表情で俺を見た。

「ジン、もしかしてあなたはゲイなの?」

「いや、ストレートだ。」

「ふう~。」

と大袈裟にため息をついてコーヒーをグイと飲んだ。

「わかったわ。あなたのハートを射止めるにはこの世で一番難関中の難関だってことがね。」

俺はキャシーとの会話だけで疲れ果てた。