志穂は面接に来たが緊張感はなく

先ほどの超ハイパー級イケメンのことを考えた。

さっきの視線はハッとするほど冷淡で

しかも彼は片方の口元を微かに動かしニヤリとしたのだ。

今までされたこともないその陰気な仕打ちは

200%威圧的なものだった。

あれは何だったんだろうと考えていたら

コンコンとノックの音がして男性がドアを開けた。

まるで風呂上がりかと思われるような爽やかオーラをまとった面接官だ。

志穂は席を立ち一礼した。

面接が始まった。

お決まりの進行にガッカリする気持ちを笑顔の裏に隠して

この会社にも採用してもらえなさそうだと思い

明日からまた職探しの日々が続くことに

憂鬱な面持ちまま受け答えをした。

爽やか面接官は最後にこう締めくくった。

「では河村さんのご都合がよろしければ社内をご案内します。いかがですか?」

志穂は職場見学にも慣れていた。

「お願いいたします。」

二人でミーティングルームを出た。