「そりゃあもちろん、ね。何があったのかって、散々聞かれた」 何か、あったらよかったのに。 「何があったの?」と言われるたびに、そう思った。 何かあったのなら、楽だった。 何かあったのなら、こんなに苦しくなかった。 「その場でいろいろと話してもね、また別れたって噂を聞きつけたひとが、何があったのかって聞くの。 別れ話の経緯なんて何回も話したいものでもないのにね」