「俺、そろそろ行くわ。友だちと晩飯食う約束してるからさ」 「そうなんだ。わたしも、もうすこししたらバイト行かなきゃ」 「みんなによろしくな」 付き合っていたころと同じように伝票を黙って持っていこうとする裕を呼び止めて、わたしは用意してあった小銭を手渡した。 すこし迷うようにわたしを見て、けれど結局、裕はそれを受け取った。 「……じゃあね」 「ん、また」