私が生まれた時から仲の悪い両親がつけた、平凡な名前。


優しい子と書く名前に反して私は育ってきた。

親が嫌いで反発して、中学2年という若い年からメイクしてタバコ吸って、髪の毛も金色にした。


地元の悪い仲間とつるんで、人を殴ったり殴られたりした。


そして今日、この前ボコボコにした奴の仲間が私がひとりになったタイミングを見てリンチしに来た。


「ひとりで喧嘩も売りに行けない弱虫が…」



………私もか………


一人で呟いて、勝手に落ち込む。

「とりあえず早く仲間に知らせに行くか」


そして立ち上がったとき、


『ガサッ』


物音がした。


「!!誰だ!」


あいつらに見つかったのか…?!


そんな考えが頭をよぎった。
けど、違った。




そこには心配そうな瞳で私を見つめる、あなたがいた。