ザーザーと降る雨。


さっき受けてしまった怪我に、容赦無く降り注ぐ。


「あいつどこいった…!?」

「まだ遠くに入ってないはず!探せ!!」


少し遠くで、そんな女子の声が聞こえた。


急いで路地裏のゴミ箱の隣に隠れる。

そんな私に気が付かず、私を探していた女子は通り過ぎた。


「…………ついてねぇなぁ………」


あたしは小さくつぶやいて身震いをした。


あけうみ ゆうこ。明るい明と海で明海。
優しい子と書いて優子。

それが、私の名前。