1つ年下の浩志とはクラブで出会った。
むかし〝踊る君を見て恋が始まって″なんて歌詞があったけれど、まさしくそんな感じ。

いや、正確に言えば、踊る君を見て恋は始まらなかったが私の中の何かは始まった。
それは浩志も同じだったようで、ラブホテルに行き身体を求めるられるのに時間はかからなかった。

ついばむようなキスをして、舌をからめて深く深くキスをする。
首の後ろに手を回すと、キャミソールの裾からふっくらとした手が入ってくる。

テンプレートのような交わりに少し安心する。

滴り落ちる彼の汗を顔に浴びながら、まるで身体中を犯されてる気分になる。そしてまた安心する。

火照る身体を抱きしめながら、速くなる動きと荒い呼吸に合わせるように膣を締める。

「イッた?」
イクわけねえだろ。と心で呟きながら、きもちいと掠れた声で耳に囁く。

これで良い、私はこれで幸福感を得れるのだ。

イッたと思い込む馬鹿な男に犯されている自分に、今日も求められている自分に。
今夜も1人ではないと、そしていつかこの身体を快楽と本当の安心を教えてくれる人が現れるんではないかと、希望をくれるのだ。