ッカツン。




バトンを落とした。




〝っあ″




会場がざわめきはじめた。




「今だ!抜かせー!」
「負けるなー!!」




他のチームの人達の声援が聞こえる。先輩は急いでバトンをひろって走ったが、青組に抜かされ3位になってしまい、1位との差がとても広がってしまった。




けど、まだ終わってない。私が抜かして遥夏にバトンをまわさなきゃ!




4走者目の先輩はリズムよく走り、さっきのバトンミスが無かったかのように2位の人とくっついて走っている状況になった。




そして、最週コーナーを先輩が曲がっていよいよ私にバトンが回ってくる。




1位との差はまだ半分ある。一週400mのトラックの半分は相当足が早くないと追い付かない。気合いが入る。



「心優ー!がんばれー!」
「赤組ー!!負けんなー!」




皆、応援してくれてありがとう。