教室を開けると遥夏の周りには女子がたく
さんいた。人気者だ(笑)。私は自分の席
につく。
「心優ちゃんおはよう!」
「心優ちゃん今日も可愛いね!」
わ、私もですか…。辞めていただきたい。
「心優〜おっはよ〜ん!今日も緒川くんは人気者ね!」
私を後ろから抱きしめてきたのは花蓮さん
だった。花蓮さんが来た瞬間私に声をかけ
てきたクラスメイトは怖がるようにして
去っていった。た、助かった!
「花蓮さんおはようございます。今日は朝から登校なんですね。あと、ありがとうございます。」
花蓮さんはえっへんとして私の前の席の椅
子に座った。
「いやぁ、今日からまた頑張ってみようかなって思って!でも早起きとか寝むぅ。」
そういって私の机にベターッと伏せた。
「花蓮さんって謎ですね。」
花蓮さんの表情はよく見れなかったけどそ
の時少し悲しそうな顔をしていた。
そして、
「謎多き女性は大人っぽいのよ!」
って、笑って言って私にピースした。
私は深入りをしなかった。
花蓮さんは今日朝私に声をかけたきり関わ
らなかった。私から話しかけてみようか
な。下校時刻を迎えた頃だった。
その時、事件は起きた。


