私は花蓮さんを連れてとりあえず教室へ
戻った。5時間目の担当は小野先生だっ
た。数学かぁ
小野先生は花蓮さんに気づいたのかこっち
へ来た。
「和田さん!?遅刻は良くないですがちゃんと登校とは偉いですね。和田さんは僕のクラスですよ。1年間よろしくお願いしますね。」
花蓮さんの動きが止まった。そして花蓮さ
んはぺこりとお辞儀して空席へ座った。
花蓮さんが無言になるなんて…っと私は驚
きながら自分の席へ座った。
「ーこのxは左側に移項します。そして、数字は右側へ移項します。つまり、同じ数を集めてあげるんです。」
小野先生の授業はわかりやすかった。
イケメンで教え方も上手ければ落ちない女
はいないな。
私はそんな事を考えながら花蓮さんを見
た。花蓮さんは真剣に授業に取り組んでい
た。あんなに真剣なのに、なぜ花蓮さんは
留年してしまうのか、ヤンキーだからって
恐れられているのか


