その日、あたしは1日朝日と一緒にいた。


思いもよらぬ形で一線を越えてしまったあたしたちは、なんとも言えない関係だった。


『付き合って』


という一言はお互いの関係上、絶対に言えなかった。


殺す側と、殺される側。


それは出会ったときから変わっていないのだから。


ベッドの中でじゃれあっている時間は本当に幸せで、ハテナマークのくじも、朝日が景品として送られてきた事も全部嘘なんじゃないかと思えて来る。


2人でご飯をたべて、朝日の腕の傷を消毒し直して。


あたしたちには考えられないくらい穏やかな時間が過ぎていく。


そして、また夜になった。


朝日は何かが吹っ切れたような勢いであたしの体に手を伸ばした。


あたしはそれを受け入れる。


朝日の手は少し乱暴だったけれど、それが不安からくるものなのかもしれないと思うと、許すことができた。