しかし朝日はその人物を切り刻むことができなかった。


だから今こうして、朝日は景品としてここにいるのかもしれない。


余計な記憶はすべて消され、強い恐怖だけを植え付けられた状態で……。


そこまで考えて、あたしは床に寝転んで目を閉じている朝日を見た。


よほど疲れていたのか、すぐに寝息を立て始めている。


あたしは朝日にタオルケットをかけて、ベッドに戻った。


「朝日をバラバラにしなきゃ、今度はあたしが景品になる……」


あたしは朝日の寝顔を見つめてそう呟いたのだった。