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菜々花はあたしと違いボーイッシュな服をよく来ていた。


私服で会う時は必ずと言っていいほどズボンで、黒いトップスを合わせている。


美人だけど少し釣り目でクールな印象のある菜々花には、そういう服がよく似合っていた。


「彩花は可愛い系だよね」


一緒に服屋を巡りながら菜々花がそう言った。


「そうかなぁ?」


「いつもパステルカラーの服着てるじゃん」


「それは、薄い色の方が色々と合わせやすいかと思ってだよ」


自分にファッションセンスがあるとは思っていないから、原色をそのまま取り入れていないだけだ。


「それじゃぁちょっと冒険してみたら?」


菜々花はそう言い、銀色の派手なバッグを手に取った。


今の菜々花の服装には似合うけれど、あたしには絶対に似合わないものだ。


「それはちょっと……。でもこっちならいいかも」


同じ形で白色のバッグを出に取る。


一年前からある商品のようで、夏物バッグなのに金額は500円まで落ちている。


「じゃぁ、これ2人で持つ?」


「いいじゃんそれ、そうしようよ!」