どんなにもがいても、勇太はあたしを離してくれなかった。


あたしの悲鳴が心地いいのか、頬を染めて快楽に身を任せている。


「誰か助けて!! 誰か!!」


声がかれるまで叫んでも、誰も助けには来てくれない。


この教室内だってカメラが設置されているかもしれないのに。


誰かがそれを見ているかもしれないのに……!!


……あぁそうか。


ユウ君の時もそうだったんだ。


あたしが見ていたのに。


ユウ君は助けてと叫んでいたのに。


あたしは、手を貸そうとしなかった。


こういうことだったんだ……。


「いただきまぁす」


勇太が血まみれの口でそう言い、左耳に噛みついて来た。


「あぁぁぁぁぁぁ!!!」


あたしが最後に聞いた声は、あたし自身の悲鳴だった……。