同時に思い出していた。


あたしがくじを引いたのは菜々花の直後だった。


あのタイミングで菜々花がハテナマークのくじを入れる事は十分に可能だった。


でも……あたしがそれを引く確率は?


そこまで考えて、あたしはショッピングモールの店員の顔を思い出していた。


まさか……あの人は……。


あたしは恐る恐る緒方先生へ視線を向けた。


よく見て見ると、先生とショッピングモールの店員さんはそっくりな顔をしている。


いつもと制服が違うから気が付かなかったけれど……あれは先生だったんだ!!


「ようやく気が付いたようだな。くじ引きの時からなにもかも仕組まれていたってことを」


「嘘でしょ……」


後ずさりをして、背中が鍵のかかったドアにぶつかった。


「あのくじの時、ハテナマークのくじを入れたのはあたしだよ」


菜々花がとても穏やかな口調でそう言った。


ついさっきあたしを怒鳴っていたのが嘘のようだ。


「そのくじだけ少しサイズを大きくして引きやすい状態になっていたんだ」


緒方先生が続けてそう言った。


くじのサイズが違った……!?


あたしは目を見開いて先生を見た。


「君はそれに簡単に引っ掛かり、まんまとくじを引いたってわけだよ」


先生は笑いをかみ殺しながらそう言った。