「双子だったんだ」


そらが一歩あたしに近づく。


あたしは後ずさりをして逃げる。


しかし後ろはドアで誰かがしっかりと鍵をかけてしまい、出られない。


「だ、誰か……!」


廊下へ向かって叫ぶが、誰も反応を示さない。


どうして……!?


「誰も来ないよ」


そう言ったのはクラスメートの女の子だった。


いつも目立たず、分厚いメガネをかけて本ばかり読んでいる彼女が、ニヤリと笑った。


「今日は他のクラスは休みだから」


「どういう事……?」


あたしは唖然としてクラスメートたちを見つめる。


他のクラスは休み?


だけど、廊下で隣のクラスの友達にすれ違ったし……。


そう思ったとき、その子が前のドアから教室へと入ってきたのだ。


赤い舌をペロッとのぞかせて「カモフラージュ」と笑った。


「カモフラージュ……?」


あたしはますます混乱する。


なにが起こっているのか全くついていけていない。