「それ、お前がやったのか?」


そう聞いて来たのは、そらだった。


あれだけ仲がよかったそらが、あたしを睨みつけている。


「ち、違うってば……!!」


ブンブンと左右に首をふって否定するあたし。


手に汗が滲んでバッグを持っているのもつらくなってくる。


「だけど、黒板にはお前の名前が書かれてたんだ」


そう言ったのは文哉だった。


文哉は今にも泣きだしてしまいそうな顔をしている。


「ち、違うって言ってるでしょ? なんで信じてくれないの!?」


あたしは文哉に近づこうとして、焦って机に脚をひっかけ転んでしまった。


「いたっ……」


顔をしかめて起き上がろうとしたとき、みんながあたしを見下ろしている事に気が付いた。


みんながあたしを疑っている。


みんながあたしを……人殺しだと思っている。