「彩花、どうした?」


その声にハッと目を覚ますと、朝日がしんぱいそうな顔をしてあたしを覗き込んでいた。


周囲を見回すとそこはいつのもリビングで、ソファで眠ってしまった事を思い出した。


「すごい汗だ。大丈夫か?」


「うん……」


あたしは額の汗をぬぐって曖昧に返事をした。


上半身を起こして呼吸を整えても、まだ心臓はドクドクと高鳴っていた。


あたしが人を殺したのは、ケンイチで2人目だった。


さっきの夢はすべて現実に起こった出来事なのだ。


ケンイチを殺害するという衝撃的な事をやってしまったため、あの時の事を鮮明に思い出したみたいだ。


小学校1年生の頃のあたしは何が起こったのかわからず、男の子が死体で発見された時も誰にも何も伝えなかった。


結局男の子の死は事故として解決を迎えたのだ。