途中から朝日に手伝ってもらったこともあり、どうにか朝までケンイチの体を解体することができていた。


袋に詰めてギュッと縛り、浴槽内をシャワーで流す。


「ひどい臭いは取れないな……」


浴槽内を見回して朝日がそう言った。


「たぶんあたしたちが血にまみれてるからだよ」


あたしは返り血でべたべたになってしまったスカートを脱いだ。


ずっしりと重たいくらい血液を吸っている。


「このままシャワーを浴びようか」


朝日の言葉にあたしは頷いた。


全身が重たくて立っているのもやっとの状態だったけれど、このまま眠るわけにはいかない。


シャワーを浴びて、ケンイチの体を送り返さなきゃいけない。


浴槽内で服をぬいだあたしたちは、そのまま一緒にシャワーを浴びた。


血の臭いはどんどん薄れていき、ホッと胸をなで下ろす。


血まみれの洋服も一度手洗いして、洗濯機へと入れた。


体が綺麗になると、心は落ち着きを取戻しはじめていた。


これで助かるかもしれないという期待と、全く関係のないケンイチを殺してしまったという事実があたしに重たくのしかかる。