あたしの計画は単純なものだった。


朝日と背丈の似ている男性を切り刻み、身代わりになってもらおうと思ったのだ。


いきなり声をかけて知り合いになっても、家に来てくれる可能性は低い。


だからわざわざ夜の街にでかけてケンイチのような男に声をかけたのだ。


思った通り、ケンイチはあたしの事を疑うことなく家までやってきた。


浴槽に頭をぶつけて死んでしまった事は予定外だったけれど、どうせあたしはケンイチを殺すつもりだった。


方法が少し変わっただけで何の問題もなかったのだ。


だけど、予想外の事が起こってしまった。


あたしは今脱衣所にいる朝日をシャワーカーテンを隔てて見ていた。


あたしは血まみれになっているし、浴室も当然血まみれだ。


バラバラにされている途中の男の体もある。


この状況で言い訳はできなかった。


「彩花、こんな時間に何をしてるんだ？」


朝日が脱衣所から声をかけて来る。


「ちょっと……用事ができてお風呂に入ってるの」


あたしはなんと誤魔化していいのかわからずにそんな事を口走っていた。