長いフライトを終え、ようやく目的地に着いた。 そして、ステイ先のホテルに入る。 仕事もひと段落。 二日後の帰国まで、ゆっくりミラノを楽しもうと思った。 時計を見ると、午後六時を指している。 日本は夜中の二時といったところか。 そんなことを考えたあたしの頭を、ふと優弥の顔がよぎった。 アイツ、あたしの彼氏なんだよね? 彼氏なら、夜中でもあたしのために、尽くしなさい。 あたしはWi-Fiを通して、携帯から優弥にLINE電話をかけていた。