目の前にある、小さなコンクリート製の建物。 Fが拠点にしているという、スタジオだ。 あたしは蒼に用事があって、一回だけここに来たことがある。 まさか、また来ることになるとは思ってもいなかった。 しかも、こんな馬鹿げた用事で。 だけど、イライラの溜まったあたしは、もはや自分でも止められなくて。 何とか蒼に思い知らせてやりたくて。 ズカズカと建物に入り、スタジオの防音扉を開いて叫んでいた。 「いい加減にしな!ガキ共!!」