約束時間三分前。

相変わらず百貨店の自動ドアの前には、たくさんの人が立っている。

時計を見たり、携帯を見たり。

そして、百貨店の前のスクランブル交差点が青になり、人がい行き交う。

それでも混乱は見られないし、変な人もいない。






それにしても優弥、どういうつもりだろう。

もうすぐ時間だというのに、一向に現れない。

もしかして、あたしに待たせるつもり?

紳士たる者、先にスタンバイして待ってなよ!







時間が来たら帰ってやろうかと思った。

だけど、優弥の「地味な服装」が見たくて。

待ってしまうあたしがいた。